ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸溶解注射)とは?効果とメリットデメリットを解説

ヒアルロン酸を溶かすことができる「ヒアルロニダーゼ」とは?
ヒアルロニダーゼとは、体内のヒアルロン酸(HA)を分解する酵素で、美容医療ではヒアルロン酸注入後の修正や除去に用いられます。
ヒアルロン酸はもともと人体に存在する成分で、フィラー(充填剤)として鼻や唇などに注入して形を整えたりボリュームを出したりといった用途で使用されますが、「思っていたイメージと違う仕上がりになってしまった」「時間経過でしこりや凸凹が気になる」といった理由でヒアルロン酸を溶かしたいと希望するケースも少なくありません。
そうした場合にヒアルロン酸注入を元に戻す切り札となるのがヒアルロニダーゼ注射です。
ヒアルロニダーゼ注射は、基本的にヒアルロン酸を注入したどの部位でも適用可能で、顔のシワ治療で入れたヒアルロン酸から、鼻や唇、顎など輪郭形成のためのフィラーまで、注入から1~2年経過した古いヒアルロン酸でも分解できる場合があります。
唇へのヒアルロニダーゼ注射
唇は繊細で注入量によって印象が変わりやすく、ボリュームの好みも分かれる部位です。
ヒアルロン酸を入れすぎて不自然に厚くなった場合や、偏りによる左右差が出た場合にヒアルロニダーゼで部分的に溶解して調整できます。
ただし一度に溶かし過ぎると唇が痩せた印象になる恐れもあるため、経験豊富な医師が必要最低限の範囲と量で注入することが大切です。
唇は血流がいい部位のため、注射後は一時的に腫れや内出血が起こる場合がありますが多くは数日で落ち着きます。
鼻へのヒアルロニダーゼ注射
鼻はヒアルロン酸注入で高さを出したり形を整えたりする人気部位ですが、仕上がりに不満がある場合にはヒアルロニダーゼで元に戻すことが可能です。
鼻周囲は細かな血管網がありデリケートなため、注射の深さや量の調整を慎重に行う必要があります。
希望部分だけ溶かすのが難しいケースもあり、例えば鼻筋の一部の膨らみを解消する目的でも周囲のヒアルロン酸に作用してしまう点にも注意しましょう。
顎(あご)へのヒアルロニダーゼ注射
顎に入れたヒアルロン酸はフェイスラインを整えるのに有効ですが、量が多すぎたり形状が合わなかった場合には溶解してリセットできます。
顎は比較的溶解しやすい部位ですが、大量のフィラーを一度に溶かすと皮膚のたるみが一時的に目立つ可能性があります。
そのため必要に応じて複数回に分けて徐々に溶かすケースもあります。施術後は強い圧迫やマッサージを避け、経過を見守りましょう。
おでこ(額)へのヒアルロニダーゼ注射
額に入れたヒアルロン酸がボコボコしてしまったり不自然に盛り上がった場合、ヒアルロニダーゼで均一にならすことが可能です。
額は比較的皮下組織が広く拡散しやすい部位のため、狙った部分のみを部分的に溶かすのが難しいことがあります。
医師と相談しながら、必要以上に溶け過ぎないよう少量ずつ調整していくことが大切です。
こめかみへのヒアルロニダーゼ注射
こめかみ(側頭部)はヒアルロン酸で凹みを改善することがありますが、仕上がりが気に入らない場合には溶解できます。
こめかみは血管や神経が走行する部位でもあり、注射の深さに注意しつつ行うべきだと言えるでしょう。
広範囲に注入されたヒアルロン酸の場合、一度で全て溶かしきれないこともあるため追加の施術が必要になる場合があります。
ヒアルロニダーゼは何日で溶けますか?
ヒアルロニダーゼを注射してから効果が現れるまでの時間は比較的短く、多くのケースで当日~数日以内にヒアルロン酸の減少を実感できると言われています。
ヒアルロン酸と反応すると速やかに溶解が始まり、数時間後から分解が進行します。
早い方では24時間以内に目に見える変化が現れ、注入されたヒアルロン酸がかなり吸収されます。
一般的には数日で元の自然な状態に戻るケースが多く、これが「ヒアルロニダーゼでヒアルロン酸が溶け切るまでの目安期間」です。
ただし個人差があり、部位やヒアルロン酸の種類によって完全に吸収されるまでにもう少し時間がかかることもあります。
例えば非常に架橋が強い長期持続型のヒアルロン酸では、分解に時間を要したり追加注射が必要になるケースも報告されています。
施術後数日経っても効果が不十分な場合には、医師と相談の上で再度ヒアルロニダーゼを追加し調整すると良いでしょう。
ヒアルロニダーゼの即効性は?
結論から言えば、ヒアルロニダーゼには即効性があると言えるでしょう。
注射後すぐにヒアルロン酸との反応が始まり、数時間から24時間以内に効果を発揮するケースが多く、パンパンに膨らんでいた部位がその場で柔らかくなったり、小さく萎む感覚が得られる場合があります。
ただし、完全に見た目が変化するまでには多少のタイムラグがあり、酵素が組織内に浸透してヒアルロン酸を崩壊させるのに数日かかるケースもあります。
多くの場合、施術翌日から2日目くらいに明確な変化が現れ始め、徐々に不要な膨らみが改善していきます。
即効性が高いとはいえ、施術直後は注射による腫れや赤みが若干出ることもあるため、真の仕上がりを判断するのは数日後以降が適切です。
ヒアルロニダーゼの効果が落ち着く数日後に、改めて仕上がりをチェックしてみましょう。
その時点でまだフィラーの残りが気になる場合は追加溶解、あるいは不足して寂しく感じるようなら再度ヒアルロン酸を注入しデザインを調整するなど、次のステップを検討します。
ヒアルロニダーゼのメリット1.不要なヒアルロン酸をリセットできる
ヒアルロニダーゼを使用する最大の利点は、一度入れたヒアルロン酸を元の状態に戻せることです。
仕上がりが気に入らない場合でも、ヒアルロニダーゼを使えばフィラーを溶解してやり直しが可能になります。
この「戻せる安心感」があるおかげで、初めてのヒアルロン酸注入にも踏み切りやすく、施術の選択肢が広がるでしょう。
ヒアルロニダーゼのメリット2.効果が迅速でダウンタイムが少ない
ヒアルロニダーゼは即効性が高く、注射後早ければ当日中にも効果が現れます。
またメスを使う手術と比べると体への負担が軽く、腫れや赤みといったダウンタイムもほとんどの場合数日以内に治まるため、忙しい方でもスケジュールを取りやすいメリットがあります。
ヒアルロニダーゼのメリット3.深刻なトラブルにも対処できる
ヒアルロン酸注入で万が一しこり(肉芽腫)や血管塞栓などのトラブルが起きた場合、ヒアルロニダーゼはそれを解消・軽減する治療手段の一つ。
例えば血管が圧迫され皮膚が壊死しそうな時に早急にヒアルロニダーゼを打てば、ヒアルロン酸を溶かして血流を改善できる可能性があります。
こうした緊急対応ができる点も、安全面での大きな利点です。
ヒアルロニダーゼのデメリット1.希望しない部分まで溶けてしまう可能性
ヒアルロニダーゼは注入部位から周囲に拡散する性質があり、溶かしたくないヒアルロン酸まで影響が及ぶリスクがあります。
例えば「この膨らみだけを除去したい」という場合でも、その周辺に入っていたフィラーも一緒に減少してしまうことがあります。
部分的な微調整には限界があるため、予期せぬボリュームダウンが起こり得る点はデメリットです。
ヒアルロニダーゼのデメリット2.一度で溶け切らないことがある
注入されたヒアルロン酸の量が多かったり深い層にある場合、1回のヒアルロニダーゼ注射だけでは十分に行き渡らずフィラーが残存することがあります。
この場合、何度か追加で注射を行わなければなりません。
追加施術は手間や費用がかさむためデメリットと言えます。
ただし複数回に分けることで溶かし過ぎを防ぐ意図もありますので、必要に応じた処置と割り切ることも大切です。
ヒアルロニダーゼのデメリット3.アレルギー反応や腫れ・内出血
ヒアルロニダーゼは人によってアレルギーを起こす可能性があります。
軽度であれば注射部位の赤み・腫れ・かゆみ程度ですが、まれに呼吸困難や全身の浮腫といった重篤なアナフィラキシー症状を引き起こす例も報告されています。
また、注射による施術である以上、どうしても針を刺した部位に腫れや内出血が生じるリスクがあります。
腫れ・赤みは数時間~数日で治まり、内出血もほとんどの方が2週間以内には消失するのでダウンタイムは比較的短いと言えますが、個人差によっては施術直後数日は違和感を覚えるかもしれません。
大事な予定が直後に控えている場合はスケジュールに余裕を持たせておくのが無難です。
Aizクリニックでのヒアルロニダーゼ施術について
Aizクリニックは、ヒアルロン酸注入の修正・溶解治療(ヒアルロニダーゼ注射)を用意しています。
自院はもちろん、他院で行ったヒアルロン酸注入にも対応しており、鼻や唇、顎、額、こめかみなど前述したあらゆる部位において、「思い通りの結果ではなかった」「不自然になってしまった」といったケースに対し適切な溶解処置を行っています。
院長のドクター相澤は、ヒアルロン酸の技術指導医として月に3~5回の指導出張も行うなど、教育活動にも携わるほどの知識と経験を備えているので、ヒアルロン酸注入後の悩みにも真摯に寄り添います。
AiZCLINICでは無料カウンセリングを行っております。気になっている施術やお悩みなどがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。