ヒアルロン酸を注入した部位が体調不良で腫れる原因とは?直後から半年〜1年後に腫れる理由を解説

ヒアルロン酸注入で腫れる原因とは?なぜ腫れるのか
ヒアルロン酸注入後の腫れには、注入後〜数日間にかけて起こるダウンタイム中の腫れと、注入後しばらく経ってから風邪などの体調不良時に起こる腫れの2種類に分類できます。
まず、注入直後の腫れについて解説していきましょう。
ヒアルロン酸を注入した部位は、ダウンタイムとして数日間腫れが目立つことがありますが、以下のような腫れは生体の正常な反応によるものがほとんどです。
物理的刺激による腫れ
ヒアルロン酸注入は細い針やカニューレで皮下に薬剤を注入するため、どうしても皮膚や組織に微小な損傷を与えます。
体は損傷を受けると治癒の過程で炎症反応を起こすことで、注射部位が一時的に腫れるのです。
いわばケガを治そうとする反応であり、軽度の腫れや内出血は通常のダウンタイムとしてよく見られます。
特に針を刺した周囲では毛細血管からのにじみ出た液体でむくみ(浮腫)が生じ、これも腫れの一因となります。
ヒアルロン酸自体の性質による腫れ
ヒアルロン酸は高い保水力を持つムコ多糖類(グリコサミノグリカン)から構成されており、組織中の水分を引き寄せる性質があります。
そのため、注入後しばらくは周囲の組織から水分を吸収して一時的に膨らみ、むくみによる腫れとして現れることがあるのです。
これはヒアルロン酸の作用が効果的に発現している証拠でもあり、時間の経過とともに余分な水分が落ち着けば自然に改善します。
ヒアルロン酸注入直後の腫れは数日から1週間程度で落ち着く
上記のように、ヒアルロン酸注入後の軽度の腫れは生理的な現象であり一時的なものなので、特別な治療をしなくても数日から1週間程度で目立たなくなるケースがほとんどです。
ただし、強い腫れや熱感が続く場合は、クリニックに相談しましょう。
ヒアルロン酸注入直後に腫れるその他の原因1.体調や体質
ヒアルロン酸はもともと体内に存在している物質のため、アレルギー反応が出にくいとされていますが、体質や体調によって腫れが通常より強く出る可能性もあります。
例えば免疫力が低下している時期(疲労がたまっているときや風邪気味のとき)に施術を受けると、通常より炎症反応が強く出て腫れが目立つケースも考えられます。
ヒアルロン酸注入直後に腫れるその他の原因2.皮膚が薄い部位への注入
また、ヒアルロン酸を注入する部位によって腫れやすさに差があります。
皮膚が薄く、血管や神経が豊富な目元、鼻、唇、額などの部位は腫れが目立ちやすいでしょう。
ヒアルロン酸注入直後に腫れるその他の原因3.ヒアルロン酸製剤の硬さ
ヒアルロン酸製剤の硬さや粒子サイズによっても、組織へのなじみやすさが異なります。
これらは数週間かけて自然に馴染む場合がほとんどですが、一時的にデコボコした膨らみや腫れを感じるケースも少なくありません。
ヒアルロン酸注入直後に腫れるその他の原因4.一度に大量注入した
一度に大量のヒアルロン酸を注入しすぎると、ぼこっと盛り上がったように腫れて見えてしまいがちです。
通常は医師が様子を見ながら少量ずつ丁寧に注入しますが、技術不足や経験の浅い施術者によっては凸凹が生じるリスクもゼロではありません。
信頼できる医師による施術を受けることで、このような過剰注入による腫れは避けられるでしょう。
ヒアルロン酸注入後の腫れ(ダウンタイム)のピークはいつ?
ヒアルロン酸注入後の腫れは、施術直後~翌日頃にかけて腫れのピークを迎えるケースが多いです。
早い方では数時間後には腫れを自覚し、だいたい1~3日程度は軽いむくみや腫れが目立つでしょう。
特に翌朝は、注射部位がややぷっくり腫れたように感じられるかもしれません。
しかし、約1週間前後で腫れや内出血はほぼ落ち着くのが一般的です。
施術から数日経つごとに徐々に改善し、1週間もすると鏡で見ても気にならない程度になります。
個人差はありますが、メイクで隠せる程度のわずかな腫れを残すのみでしょう。
なお、ヒアルロン酸注入部位を必要以上に押したり触ったりするのは、せっかく入れたヒアルロン酸が流れてしまいやすくなるほか、腫れが長引く原因になってしまうので避けてください。
ヒアルロン酸注入直後の腫れが強い・長引く場合の対処法
ヒアルロン酸注入直後の腫れは、時間とともに自然に改善していきます。
しかし「腫れがなかなか引かない」「痛みや熱感を伴って心配」という場合、以下のポイントを確認してください。
まず、施術直後~数日間は多少の腫れや熱感があるのは正常です。
どうしても気になる場合は、冷たいタオルや清潔なガーゼで包んだ保冷剤で優しく冷やしましょう。炎症を抑え、腫れを和らげる効果があります。
一方、施術後に湯船に長く浸かるなど「温める行為」は腫れが増す可能性があるため、避けてください。
ヒアルロン酸注入直後の腫れに抗生物質は効く?
また、ヒアルロン酸注入後の通常の腫れに対して、予防的に抗生物質を飲む必要はありません。
あくまで細菌感染が疑われるケースに限り、医師の判断で抗生物質が処方されます。
自己判断で市販の抗生物質を服用するのは避け、気になる症状があればまずクリニックに問い合わせましょう。
抗生物質には乱用すると耐性菌のリスクや副作用もあるため、必要と判断された場合でも医師の指示に従い正しく使用することが大切です。
医師に相談すべきサイン
次のような症状がある場合は早めに医師の診察を受けてください。
腫れが1週間以上続く、または悪化している:通常の炎症を超えている可能性があります。
赤みや熱感を伴う、痛みが強い:アレルギー反応や感染症の疑いがあります。
しこりや硬さが長く残る:ヒアルロン酸の一部が肉芽腫状に残っている可能性があります。
これらの兆候がある場合、放置せずすみやかに受診しましょう。
ヒアルロン酸注入から半年〜1年後、たまに腫れる原因は?
「ヒアルロン酸を入れてから半年ほど経つのに、最近になって急に腫れてきた」というように、定着後しばらく経ってから腫れが生じるケースとしては、いくつかの可能性があります。
ヒアルロン酸が注入後たまに腫れる原因1.遅発性結節
ヒアルロン酸注入から数か月~1年以上経ってから注入部位に赤み、腫れ、しこり、痛みが現れる現象を「遅発性結節」と呼びます。
これは一般的なダウンタイムではなく、時間差で起こる副反応です。
遅発性結節の原因1.遅延型アレルギー反応
ヒアルロン酸が異物とみなされ、体内で免疫反応が誘発されるケース。
体調不良(風邪、胃腸炎など)がきっかけになることがあります。
遅発性結節の原因2.バイオフィルム感染の再活性化
注入時に微量の細菌が注入され、それが膜(バイオフィルム)を形成して体内に潜伏するケース。
風邪や傷、疲れなどによって再活性化され、遅発性結節として発症する場合があります。
遅発性結節の処置方法
遅発性結節の処置は、感染性か非感染性かで異なります。
感染を伴わない場合は様子見で自然に吸収されるのを待つか、しこりや見た目を改善したい場合、ヒアルロン酸を溶解するヒアルロニダーゼ注射を打つことも選択肢のひとつです。
なお、炎症が強い場合はステロイド注射も使用されることがありますが、副作用があるので医師の判断に従い施術を受けましょう。
感染を伴う場合は、ヒアルロニダーゼ注射に加えて抗生物質の使用が推奨されます。
ヒアルロン酸が注入後たまに腫れる原因2.繰り返しヒアルロン酸を注入した場合
ヒアルロン酸は体内に徐々に吸収されていくため、効果の持続期間は一般的に数ヶ月~1年程度と言われます。
しかし、繰り返し同じ部位に注入を続けていると、ヒアルロン酸が完全に吸収されることなく残ってしまい、しこりとなって腫れたように見えるケースもあるのです。
特に目元や頬と鼻筋の境目、唇など皮膚の薄い箇所は、何度も注射を繰り返すうちに皮膚が伸展し、徐々に腫れぼったく見えてしまうリスクがあります。
風邪をひくとヒアルロン酸注入部位が腫れるのはむくみ?
「ヒアルロン酸を入れた箇所は、風邪をひくと腫れることがある」という話を耳にしたことがあるかもしれません。
この現象は一部で経験談として語られており、実際に体調不良のときにヒアルロン酸注入部位が一時的にむくむ場合があります。
風邪などで体調が悪いときは、体内の免疫バランスや水分調節機能が乱れ、発熱や炎症に伴って身体がむくみやすくなります。
そして体内の水分量が増加した結果、ヒアルロン酸のある部位にも水分が集まって腫れが出る、という仕組みです。
お酒を飲んだり塩分が多い食事を摂ったりした翌日なども全身がむくみやすく、同様にヒアルロン酸注入部位がぷっくりと腫れたように感じられることがあります。
このような腫れは一時的なものなので、過度に心配する必要はありません。
安静にして十分睡眠をとり、水分・栄養補給をしていれば体調の回復とともに腫れも改善するケースがほとんどです。
ただし、前述のように腫れが1週間以上続く場合や痛みを伴う場合は、早めに医師に相談してください。
正しい知識とケアで安心のヒアルロン酸注入を
ヒアルロン酸注入後の腫れについて、原因から経過、対処法まで解説しました。
注射後に多少の腫れが生じるのは生体の自然な反応であり、避けられない部分でもあります。
多くの場合、腫れのピークは1~3日程度、1週間もすれば落ち着くため必要以上に心配しすぎないでください。
また、ヒアルロン酸注入後半年〜1年経ち、風邪や発熱時に腫れが出たとしても、いわゆる「むくみ」に近い一時的なものであるケースがほとんどです。
しかし、腫れだけでなく赤み、しこり、痛みが続く場合は遅発性結節の可能性もあるため、すぐ医師に相談しましょう。
AiZクリニックの相澤院長は、技術指導医として月に3~5回指導出張を行なっていたヒアルロン酸注入のスペシャリストです。
カウンセリングから施術、アフターケアまで丁寧に担当し、患者さま第一の対応を徹底しています。
ヒアルロン酸注入はもちろん、他院で注入したヒアルロン酸の溶解施術までぜひご相談ください。
AiZCLINICでは無料カウンセリングを行っております。気になっている施術やお悩みなどがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。