涙袋ヒアルロン酸注射の注意点【チンダル現象や血流障害などリスクを徹底解説】

少量で印象を変える涙袋ヒアルロン酸
ぷっくりとした可愛らしい涙袋を作るために、人気のヒアルロン酸注射。
手軽に立体感が生まれ、若々しく魅力的な印象になる施術ですが、一方で施術後の思わぬトラブルやリスクも存在します。
本記事では涙袋にヒアルロン酸を注入する際の注意点にフォーカスし、失敗例や合併症リスクまで詳しく解説します。
施術を検討中の方はぜひ参考にして、安全で理想的な涙袋を手に入れるための知識を身につけましょう。
涙袋ヒアルロン酸注射の効果
涙袋ヒアルロン酸注射の効果
涙袋ヒアルロン酸注射とは、下まぶたの際にヒアルロン酸製剤を注入して膨らみ(涙袋)を形成する美容施術です。
もともと涙袋がない方や、メイクで描いている方でも、注射でヒアルロン酸を入れることでノーメイクでも自然な涙袋を作ることができます。
ヒアルロン酸は人体に元々ある保湿成分で、安全性が高く時間とともに吸収されるため、メスを使わないプチ整形として広く利用されています。
まず、そんな涙袋ヒアルロン酸の効果を知っておきましょう。
涙袋ヒアルロン酸注射のおもな効果・メリット:目が大きく見える
涙袋に適度なボリュームが出ると目元に立体感が生まれ、目がぱっちり大きく見える効果があります。
優しく可愛らしい印象を演出できるでしょう。
涙袋ヒアルロン酸注射のおもな効果・メリット:目の下のクマ改善
ヒアルロン酸で目の下の凹みを埋めることで影グマ(黒クマ)を目立たなくし、クマをカバーすることができます。
ハリのある明るい目元になり、疲れた印象を解消できます。
涙袋ヒアルロン酸注射のおもな効果・メリット:ダウンタイムが短い
注射による施術なので切開が不要で、施術時間も5〜10分程度と手軽です。
腫れや内出血などの症状が出ても軽度で済むことが多く、メイクも当日から可能なため忙しい方にも向いています。
涙袋ヒアルロン酸は何cc入れるべき?
理想のぷっくり感を求めるあまりヒアルロン酸を入れすぎると、かえって不自然で「やりすぎ」な見た目になってしまうため注意が必要です。
具体的には、片側0.5mL以上の大量の注入は避けるべきとされています。
一般的な涙袋の適量は片目あたり0.1〜0.3mL程度が目安であり、少しずつ様子を見ながら注入するのがポイントです。
涙袋ヒアルロン酸を入れすぎると:ナメクジのように膨らみすぎる
ヒアルロン酸を大量注入すると、涙袋が必要以上に大きく腫れぼったくなり、まるでナメクジが張り付いたような不自然な印象になることがあります。
顔全体のバランスから浮いてしまい、人工的な雰囲気になってしまいます。
涙袋ヒアルロン酸を入れすぎると:皮膚がパンパンに張ってしまう
正常な涙袋は柔らかさがありますが、入れすぎると皮膚がソーセージのようにパンパンに伸ばされてしまい、不自然なハリ感が出ます。
笑ったり表情を動かした時にも違和感を覚えるでしょう。
涙袋ヒアルロン酸を入れすぎると:時間経過でさらに膨張する
ヒアルロン酸には水分を引き寄せる性質があるため、過剰注入後に体内の水分を吸収して施術直後よりも膨らみが大きくなってしまうケースも報告されています。
特に涙袋は皮膚が薄いため、この膨張による影響が目立ちやすい部位です。
また、頻繁に繰り返し注入することでも皮膚が徐々に伸び、将来的にたるみの原因となり得ます。
一時的に膨らませている間はハリが出ますが、ヒアルロン酸が吸収された後に皮膚が戻りきらずゆるんでしまう可能性があります。
その結果、何度も注入を重ねたあとに皮膚が余ってシワっぽくなるリスクも考えられるのです。
涙袋ヒアルロン酸は「欲張りすぎない」がカギ
初めてのヒアルロン酸注入では「もう少し入れたい」と感じる程度の控えめな量から始めるのがおすすめです。
物足りなければ後日追加することもできるので、一気に印象を変えようとせず調整しながら注入しましょう。
経験豊富な医師であれば、適切な注入量の範囲を見極めてくれますので、カウンセリングで仕上がりイメージを共有しつつ欲張りすぎないのが失敗を回避するコツです。
涙袋ヒアルロン酸が下がってくることはある?その原因と対処法
「ヒアルロン酸を入れた直後は良かったのに、時間が経つと涙袋が下がってきたように感じる」という声もあります。
これはヒアルロン酸そのものが溶けて流れているわけではなく、重力や解剖学的構造によるもの。
目の下の皮下には余裕のあるスペースが多く存在するため、入れたヒアルロン酸が重力で下方へ移動しやすいのです。
特に皮膚が薄く柔らかい人や、過剰に注入した場合、その重みで徐々に下垂してしまい、涙袋がぼやけて涙袋と目袋(涙袋のすぐ下のふくらみ)が一体化してしまう状態になってしまいます。
涙袋ヒアルロン酸が下がってきた際の対処法
ヒアルロン酸が下垂して不格好になってしまった場合、ヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロニダーゼ)で一度溶かすのが有効な対処法です。
溶解して元の状態に戻した上で、改めて適切な位置・量で再注入し直すことで、美しい涙袋を形成し直すことができます。
また、他院で入れたヒアルロン酸が下に流れてしまった方が、溶解後に下まぶたの脂肪取り手術(クマ取り)を受け、本来の涙袋の位置に自然な膨らみが復活したケースも。
予防策としては、浅すぎる層に注入しないことや、そもそも下垂の原因となる目の下の脂肪(目袋)が大きい場合は先に脂肪除去(脱脂)を検討することが挙げられます。
いずれにせよ、ヒアルロン酸の特性と目元の解剖に詳しい医師に施術を任せれば、こうしたトラブルは避けられるでしょう。
涙袋ヒアルロン酸でクマになることはある?
涙袋ヒアルロン酸の注入法を誤るとかえって、クマが目立つ結果になる可能性があります。その代表が青く透けて見える現象、いわゆる青クマの悪化です。
1つは後述するチンダル現象によって、注入部位が青白く見えてしまうケースです。
ヒアルロン酸自体は無色透明ですが、薄い皮膚越しに見ると青みがかった影として見えることがあります。
これがまさに青クマのように見える原因で、せっかくクマを解消しようと注入したのに新たな青クマを作ってしまう結果になりかねません。
また、ヒアルロン酸が下方向に流れて目袋と一体化すると、大きな膨らみができてその下に濃い影(黒クマ)が生じることも。
要するに、適切に注入されなかったヒアルロン酸は、青クマ・黒クマの両方を悪化させるリスクがあるということです。
クマ治療目的でヒアルロン酸を注入する場合でも、皮膚の薄さに配慮した注入層の選択や、下まぶたの脂肪の膨らみ具合を見極めた判断が重要になります。
青クマリスクに対しては、後述するチンダル現象を起こしにくい製剤を選ぶことや、深めの層に注入して皮膚表面からヒアルロン酸が透けないようにすることが有効です。
黒クマ悪化に対しては、涙袋ヒアルロン酸では根本解決にならない場合もあるため、脱脂術など外科的治療も視野に入れることが望まれます。
医師と相談し、自分のクマのタイプに合った適切な施術を選びましょう。
涙袋ヒアルロン酸が透ける?青く見える原因とチンダル現象
ヒアルロン酸を入れた箇所が青く透けて見える「チンダル現象」は、光の散乱によって本来透明な物質が青っぽく見える現象で、美容医療においてはヒアルロン酸注射の代表的な失敗例です。
涙袋の皮膚は非常に薄いため、浅い層にヒアルロン酸を入れてしまうと光の屈折によって青白く見えてしまうことがあります。
ヒアルロン酸そのものは無色透明でも、皮膚下で光を散乱させることで青白い影となり、まるでヒアルロン酸が透けて見えているように感じるのです。
チンダル現象は、特に目元の皮膚がもともと薄い人や、色白の人で起こりやすい傾向があります。
涙袋ヒアルロン酸によるチンダル現象への対策
涙袋ヒアルロン酸によるチンダル現象への対策としては、まず極力浅すぎる層への注入を避けることが有効です。
皮膚直下ではなく筋肉の下や骨膜上など適切な深さに入れれば、表面に青みが出にくくなります。
また、製剤選びも重要です。涙袋への注入には、粒子が細かく柔らかめでチンダル現象を起こしにくいヒアルロン酸製剤がおすすめ。
それでも青く透けてしまった場合は、上から少量のヒアルロン酸を追加して色味を調整する方法もありますが、根本的にはヒアルロン酸溶解酵素で一度溶かしてから適切にやり直す方が確実です。
チンダル現象は技術不足による失敗の代表例ですが、適切な知識と技術があれば防げるトラブルです。
施術者の経験やセンスによって仕上がりに差が出やすいポイントでもあるため、クリニック選びの重要な判断材料にもなるでしょう。
涙袋ヒアルロン酸でまれに起こる血流障害・血管閉塞などのリスク
涙袋ヒアルロン酸注射は、正しい手順でおこなえば基本的にリスクの少ない施術ですが、ごく稀に重篤な合併症が報告されています。
そのなかで代表的なものが、血流障害(血管塞栓)です。
血流障害は極めて稀な合併症ですが、起きた場合の影響が甚大なため最も注意すべきリスクと言われています。
目元は細かな血管が密集する部位のため、万が一注入したヒアルロン酸が誤って血管内に入り込み血管を詰まらせてしまうと、その先に血液が届かなくなってしまいます。
血管が塞がれることで栄養や酸素が供給されなくなると、皮膚や組織は急速にダメージを受け、最悪の場合皮膚組織が壊死してしまうことも。
また、さらに深刻なケースでは、顔の血管網を逆流したヒアルロン酸が眼球の奥の網膜動脈を塞いで視力障害や失明に至る可能性もゼロではありません。
血流障害は極めて稀な合併症ですが、起きた場合の影響が甚大なため最も注意すべきリスクと言われています。
血流障害の初期症状
注射直後に患部の激しい痛み、皮膚の白斑(急に皮膚が真っ白になる)やまだらな紫斑、視界の異常(霞む、見えにくい)などが現れた場合は、血管塞栓を疑います。
放置すると分単位で悪化するため、これらの症状がでた場合はただちに適切な処置が必要です。
涙袋ヒアルロン酸を溶かすことはできる?失敗した場合の対処法
涙袋ヒアルロン酸注射の仕上がりに満足できなかったり、思わぬトラブルが起きた場合には、ヒアルロン酸を溶かす注射(ヒアルロニダーゼ注射)で元に戻すことが可能です。
ヒアルロニダーゼとはヒアルロン酸分解酵素の一種で、注入されたヒアルロン酸の結合を切断し、速やかに分解・吸収させる医薬品。
施術部位に少量注射するだけで数時間〜数日かけて効果を発揮し、24〜48時間以内に大部分のヒアルロン酸が溶解するとされています。
体内に吸収されたヒアルロン酸は尿などと一緒に排出され、膨らみやしこりが次第に消えていきます。
ヒアルロニダーゼで涙袋ヒアルロン酸を溶かす判断
次のようなケースでは、ヒアルロニダーゼによる溶解処置を検討します。
・「入れすぎ」で不自然になった場合(修正したい)
・青く透けるチンダル現象が起きてしまった場合(見た目を改善したい)左右差が大きく出た場合(均一に整え直したい)
・血流障害の初期対応(緊急措置)として
美容目的の修正であれば、慌てずに数日〜1週間ほどかけてゆっくり溶かしていきます。
一方、血管閉塞の疑いがある緊急時には高用量を即座に注入し、可能な限り速やかにヒアルロン酸を溶解することで被害を最小限に食い止められるでしょう。
涙袋ヒアルロン酸が馴染むまでの期間とダウンタイム
ヒアルロン酸を注入した直後は、どうしても多少の腫れや膨らみが生じます。
「不自然な仕上がりになってしまった?」と不安になるかもしれませんが、時間の経過とともに馴染んでいくので慌てず様子を見ましょう。
注入後のヒアルロン酸が自然に馴染むまでには、一般的に1〜3週間程度かかるとされています。
個人差はありますが、1〜2週間もすれば徐々に周囲組織に馴染み、涙袋の形が落ち着いて自然な状態になってきます。
涙袋ヒアルロン酸ダウンタイム中の注意点
より早く綺麗に馴染ませるために、施術後の過ごし方にも気を配りましょう。
特に施術直後〜1週間は以下に注意してください。
患部をこすらない・触らない
注入部位を強く押したり揉んだりすると、腫れや内出血が悪化したりヒアルロン酸の位置がずれる恐れがあります。
洗顔時も擦らず、優しく水を当てる程度にしましょう。
飲酒や入浴は控える
アルコール摂取や長湯・サウナは血行が良くなりすぎて腫れを長引かせます。
施術後少なくとも2〜3日は禁酒し、入浴もシャワー程度で済ませてください。
激しい運動を避ける
心拍数が上がる運動やヨガなど逆立ちする動きは施術部位に負担をかけます。
こちらも施術後数日は控えるのが無難です。
患部の冷却
気になる腫れや熱感がある場合は清潔なタオルでくるんだ保冷剤などでやんわり冷やしましょう。
血管収縮効果で腫れ・内出血の緩和が期待できます。
正しくケアすれば、メイクで隠せないような腫れが長引くことはほとんどありません。
万が一1週間以上経っても腫れが引かない、激痛があるなど異常を感じた場合は、早めに施術を受けたクリニックに相談しましょう。
基本的には時間とともに落ち着くので、焦らず安静に過ごすことが大切です。
AiZクリニックで理想の涙袋を手に入れよう
AiZクリニックの院長・相澤医師は、ヒアルロン酸教育トレーナーとして技術指導を担当した経験のあるベテラン医師です。
涙袋へのヒアルロン酸注入については、理想の形をヒアリングしたうえでお顔全体のバランスを見ながらていねいに施術します。
チンダル現象や血流障害などのリスクにも最大限配慮し、患者さまが安心して施術を受けられるよう心がけています。
涙袋は繊細な技術とデザイン力が試される施術です。信頼できる医師とクリニックを探している方は、AiZクリニックの無料カウンセリングにお越しください。
AiZCLINICでは無料カウンセリングを行っております。気になっている施術やお悩みなどがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。