人中短縮の傷跡・赤みの経過と適切なケアと瘢痕形成術を徹底解説

顔の印象を大きく左右する人中
「人中(じんちゅう)」と呼ばれる鼻下から上唇までの距離。
近年、この人中を短くする美容整形である「人中短縮術(リップリフト)」が注目されています。
人中が長いと顔が間延びして見えたり老けた印象になりがちなため、人中短縮で若々しくバランスの良い口元を目指す方が増えています。
しかし、メスを入れる手術である以上、傷跡が残らないか心配という声も少なくありません。
実際のところ、人中短縮術では鼻の下に小さな傷跡が残りますが、適切な治療とケアによって目立たなくすることが可能です。
本記事では、人中短縮術とはどのような施術か、その傷跡の経過や赤み、傷跡を目立たせないためのレーザー治療やメイクでのカバー方法、さらに傷跡が残ってしまった場合の修正手術や日常でできる傷跡ケアについて詳しく解説します。
人中短縮とは?
人中短縮とは、鼻と上唇の間(人中)の距離を短くする整形手術で、上唇リフトやリップリフトとも呼ばれることも。
なお、「人中」とは鼻と上唇の間にある溝の部分を指し、長いと顔が面長に見えたり間延びした印象を与えがちですが、人中短縮術(リップリフト)を行うことで鼻下の距離を短くし、小顔で若々しく可愛らしい印象に近づきます。
人中短縮術では、鼻の下の皮膚を数ミリ程度切除し、上唇を引き上げて縫合することで人中を短くするだけでなく、上唇にボリュームと立体感が出る効果も期待できます。
近年は、一度の手術で顔のバランス改善や口元の若返りが図れるメリットから、人中短縮術を希望する方が増えているのだとか。
なお、人中は加齢によって徐々に長くなると言われており、若返りを目的に本施術を受けられるケースも少なくありません。
人中短縮の傷跡
人中短縮術はメスを用いる手術のため、鼻の下(鼻柱基部)に皮膚を切除した傷跡が残ります。
ただし、目立つ傷跡を避けるために通常は鼻孔の中や鼻の陰になる位置をデザインして切開するため、術後の傷は正面からほとんど目立たない状態に仕上げることが可能です。
実際、AiZクリニックでは切除ラインの大部分が鼻の穴の中に隠れるよう工夫し、さらに真皮と表皮を二層に丁寧に縫合することで、傷口の変形やひきつれを防ぎ、表から見えにくい綺麗な傷跡に仕上げています。
個人差はありますが、適切に施術が行われれば傷跡は細く薄い線状になり、時間の経過とともに次第に目立たなくなっていきます。
適切な術式とアフターケアによって傷跡は徐々に肌色の細い線状になり、最終的には鼻下のしわに紛れて他人にはほとんど分からなくなるでしょう。
人中短縮の傷跡の赤み
人中短縮術の直後からしばらくは、切開した部分に赤みが生じます。これは傷の治癒過程で新生血管が集まるためで、手術当日〜数日後がもっとも赤く、その後徐々に薄れていきます。
一般的に、傷跡の赤みは術後約1ヶ月程度でかなり落ち着き、ピンク色〜肌色へと変化していきます。
体質にもよりますが、長くても術後6ヶ月もすればほとんど分からないくらいまで赤みは引いていくケースが多いです。
この赤みの期間中は傷跡が一時的に目立って見えることもありますが、経過とともに薄くなっていく自然な過程ですので過度に心配する必要はありません。
人中短縮の傷跡は目立つ?
「人中短縮は傷跡が残る」と聞くと心配になりますが、確かな技術力を持つ医師がデザイン・縫合した人中短縮術の傷跡は、周囲の人から気付かれない程度にまで落ち着くことがほとんどです。
前述のとおり、傷跡は鼻の陰になる部分に隠れる上、時間とともに白っぽい線状になっていきます。
ただし、手術直後〜数週間は赤みや腫れもあるため、その間は一時的に傷跡が目立つように感じるかもしれません。
会話や表情の動きによって鼻下は常に動く部位のため、他の部位に比べて傷の治りがゆっくりで、傷跡が落ち着くまでに時間を要する傾向があります。
また、もともと肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)といって傷が盛り上がりやすい体質の方では、傷跡が少し隆起して赤みが長引くことも。
そのため、人によっては完全に目立たなくなるまで半年以上かかる可能性もゼロではありません。
しかし最終的には多くの場合、鼻下のシワに紛れるような目立たない細い線状の跡に落ち着きます。
術後しばらくは気になる傷跡も、時間経過と適切なケアでほとんど分からなくなると心得ておきましょう。
人中短縮の傷跡の経過
ダウンタイム中の傷跡の経過について、一般的なスケジュールを説明します。
手術当日は麻酔による感覚鈍麻や腫れがありますが、傷口は糸でしっかりと縫合され保護されている状態です。
術後2〜3日頃までは痛みや腫れが強く、鼻下から上唇にかけてむくみや内出血が出ることもあります。
しかし、そのピークを過ぎると腫れは次第に引いていき、内出血が出た場合でもおよそ2週間程度で消失していきます。
術後1週間前後で抜糸となり、抜糸直後は傷跡が赤く線状に残っていますが、患部を覆うテープなどが取れるため洗顔も容易になるでしょう。
抜糸以降は傷跡の赤みが日に日に薄れていき、1ヶ月も経つ頃にはパッと見て傷跡が分からない程度に落ち着いている方がほとんどです。
その後も傷跡内部では皮膚組織の再構築が続いており、3ヶ月〜6ヶ月かけてゆっくりと白っぽい薄い線状へと変化していきます。
傷跡の成熟には個人差がありますが、最終的な傷跡の状態が落ち着くまでには半年〜1年程度見ておくとよいでしょう。
人中短縮の傷跡とメイクでのカバー
術後、傷跡が落ち着くまでの間はメイクでカバーすることも可能です。手術直後はテープや保護シールで傷口を保護している場合がありますが、医師の許可を得ればメイクが可能です(傷口部分を避けて)。
肝心の傷跡部分へのメイクは、基本的に抜糸後からと案内されるケースが多いです。
具体的には抜糸翌日以降、傷口がしっかり閉じてからコンシーラーやファンデーションで傷跡を隠せるようになります。
傷跡をメイクで隠すコツとしては、まず傷跡の赤みを抑えるためにグリーン系のコントロールカラーを薄く塗り、その上から肌色に合ったコンシーラーでやさしくカバーする方法がいすすめ。
厚塗りしすぎるとかえって崩れやすくなるため、薄く叩き込むように塗るのがポイントです。
仕上げに普段お使いのファンデーションで境目をぼかせば、かなり近くで見ない限り傷跡は分からなくなるでしょう。
なお、傷跡部分にメイクをする際は擦らないよう注意し、クレンジングでもゴシゴシこすらず丁寧にオフしてください。
メイクでカバーしながら時間の経過を待つことで、傷跡も気になりにくくなるはずです。
人中短縮の傷跡のケア
手術後の傷跡をできるだけ早く綺麗に治すには、日常でのケアが重要です。
患部を清潔に保つ
抜糸までは傷口を濡らさないよう指示される場合が多いため、その間は医師の指示通りに処置を行い、むやみに触らないようにしましょう。
抜糸後は洗顔や入浴が可能になりますが、タオルで拭く際も傷跡を強く擦らないよう注意します。
保湿と紫外線対策
傷跡は乾燥すると治りが遅く色素沈着しやすいため、抜糸後はワセリンなどで適度に保湿を続けましょう。
あわせて、外出時にはUVカット効果のあるテープや日焼け止めを利用して直射日光から傷跡を守ってください。
紫外線による炎症後色素沈着を防ぐことで、傷跡が茶色くシミのように残るのを予防できます。
口元の動きに注意する
術後しばらく(少なくとも1ヶ月程度)は、大きく口を開けて笑ったり硬いものを無理にかじったりといった行為は控えましょう。
鼻を強くかむことも傷口に負担がかかるため、術後しばらくは優しく拭き取る程度にしてください。
無意識のうちに患部に力が加わると傷跡の治癒が遅れたり、傷跡が広がってしまう恐れがあります。
人中短縮の傷跡とレーザー治療
人中短縮術は鼻下を切開するため、術後は数ヶ月にわたり赤みや盛り上がりなどの傷跡が気になることがあります。
時間の経過で自然に目立たなくなるケースも多いですが、より早く綺麗に治したい場合や赤み・硬さが長引く場合、レーザー治療は手術後の傷跡ケアに有効な手段の一つです。
血管レーザー(Vビームなど)
人中短縮後に出る傷跡の赤み(新生血管によるもの)を軽減する効果があり、ダウンタイム初期の赤みを抑えたい方に向いています。
フラクショナルレーザー(CO2フラクショナルなど)
皮膚に微細な穴を開けてコラーゲン再生を促す治療。
傷跡の凹凸や硬さを改善し、なめらかな皮膚に近づけます。
ピコレーザー・Qスイッチレーザー
傷跡が色素沈着(茶色や赤黒さ)として残ってしまった場合に有効で、メラニン色素を分解して色味を改善します。
人中短縮後の施術タイミング
レーザー治療は抜糸後〜数週間以降、創部が安定してから始めるのが一般的です。
早すぎる照射は逆に炎症を悪化させるリスクがあるため、開始時期は必ず医師の判断に従うことが大切です。
通常は術後1〜3か月以内に開始し、基本的に数回に分けて行います。
レーザーによる人中短縮の傷跡ケアは、赤みや硬さの改善、凹凸の軽減、色素沈着予防に有効ですが、完全に傷跡を消すことは難しいでしょう。
完全に消したい場合は瘢痕形成術を受けた方が確実で、レーザーはあくまで目立ちにくくする補助的治療と考えるのが現実的です。
人中短縮レーザーとは?
また、どうしても傷を作りたくない方向けに、メスを使わずレーザーや高密度焦点式超音波(HIFU)で人中部分の皮膚を引き締めて短縮する「人中短縮レーザー」という施術も存在します。
レーザーのみで行う人中短縮はダウンタイムがほとんどなく術後に傷跡が残らないメリットがありますが、効果は手術ほど大きくなく、複数回の照射が必要です。
確実に鼻下の長さを短くしたい場合は切開する人中短縮術が有効ですが、術後の傷跡が不安な方はまずレーザー施術を検討してみるのも一つの方法かもしれません。
人中短縮の傷跡修正
万が一、人中短縮術の傷跡が予想以上に目立ってしまった場合でも、瘢痕形成術によって改善できる可能性があります。
手術から十分な期間が経ち傷跡が安定した後(通常6ヶ月以降)、形成外科的な瘢痕形成術で傷跡部分を切開し直し、より目立たないよう縫合し直す方法があります。
特に、初回手術で切開デザインが不適切だった場合(例えば鼻の穴から離れた場所で切除され傷跡が正面から見えてしまうケースなど)は、改めて傷跡を鼻孔下に隠れるデザインに作り替えることで大きく改善できるでしょう。
瘢痕形成術は外科的な手法で傷跡を修正する治療です。患者様の傷跡の状態に合わせていくつかの方法が取られますが、基本となる流れは以下のようになります。
再切開・縫合
もっとも基本的な方法です。古い傷跡の部分を一度切除し、改めて丁寧に縫合し直す手術です。
皮膚のシワや輪郭に沿うようデザインを行ったうえで真皮と表皮の二層にわたってきめ細かく縫合することで、傷口のひきつれや変形を防ぎ、目立ちにくい綺麗な傷跡に仕上げます。
Z形成術
傷跡の形をZ字状にデザインして切開し、皮膚の一部を入れ替えて縫合する方法です。
一直線上に残った傷跡をジグザグ形に置き換えることで、傷跡への張力を分散させ、引きつれ(拘縮)の改善や傷跡のカモフラージュ効果を狙います。
特に線状の瘢痕拘縮がある場合に有効とされ、Z形成によって皮膚のつっぱりを和らげ、傷跡が周囲に溶け込むようにします。
人中下の傷でも、部位や方向によってはZ形成術など特殊な縫合デザインを併用することで、より目立ちにくくできる場合があります。
以上のように、瘢痕形成術では傷跡の状態に応じた方法でアプローチします。人中短縮術後の傷跡程度であれば、多くの場合は最初に挙げた再切開・縫合による修正で対応可能です。医師が傷跡の位置・大きさ・皮膚の余裕などを考慮し、最適なデザインで切開・縫合してくれます。
手術後は傷跡部分に負担がかからないようにテーピングなどで圧迫固定しながらケアを行い、できるだけ綺麗に治るよう配慮を欠かしません。
場合によっては、瘢痕の再発予防のためにステロイド剤の塗布や注射、レーザー治療などを併用することもあります。
施術法の選択は患者様それぞれの傷跡の状態によりますので、担当医と十分に相談して決めていきましょう。
人中短縮術後、瘢痕形成術の適応となる症状
次に、どういった傷跡の悩みがある場合に瘢痕形成術が検討されるのか、代表的な症状やケースを挙げます。
人中短縮術後の傷跡に限らず、以下のような傷跡の状態でお困りの方は、瘢痕形成術による改善が期待できます。
傷跡が盛り上がって硬くなっている(肥厚性瘢痕・ケロイド状の傷跡)
手術後の傷跡が赤みを帯びて厚く硬く盛り上がってしまったケースです。
こうした肥厚性瘢痕やケロイドは自然には平らになりにくいため、手術で瘢痕組織を切除して縫い直すことで平坦に整えることができます。
傷跡が凹凸している、または周囲の皮膚を引きつっている
傷跡が部分的にへこんでいたり、周囲の皮膚を巻き込んで段差・凹凸が生じている状態です。
例えば、傷跡の一部が陥没して陰になって見える場合や、瘢痕拘縮で口元の動きに違和感が出ている場合が該当します。
人中付近は表情や口の動きに関与する部位なので、拘縮による引きつれがあるときは修正手術により改善することで機能面の向上も期待できます。
傷跡が幅広くて目立つ
縫合跡が太い線状になってしまい、遠目にも傷だと分かってしまう状態です。
鼻の下は皮膚がよく動く部位のため、傷に張力がかかりやすく傷跡が広がりやすい傾向にあります。
瘢痕形成術では幅の広い傷跡部分を切除し、できるだけ細く目立たないライン状に縫合し直すことで見た目の改善を図ります。
適切な層で縫合し、術後の固定を十分行うことで、時間とともに細い白線状の傷跡へと落ち着いていくでしょう。
傷跡の赤み・色ムラが気になる
手術から数か月以上経過しても傷跡の赤みが引かず目立っている、あるいは傷跡部分が茶色っぽく色素沈着して周囲の肌と色が違って見える、というケース。
通常、手術後の赤みは3~6か月ほどで徐々に落ち着くものですが、炎症が強かった場合や体質によって長引くことがあります。
また、炎症後の色素沈着はメラニン生成の増加によって起こり、紫外線の影響で悪化することも知られています。
瘢痕形成術そのものはおもに傷跡の形態的な改善(形状・厚みの修正)を目的としていますが、手術で瘢痕組織を取り除くことで赤みや色ムラが改善するケースもあります。
以上のような症状に対して、瘢痕形成術は傷跡を目立ちにくくし、自信を取り戻すための有力な選択肢となります。
特に人中短縮術後の傷跡は顔の中心に近く視線が集まりやすいため、適切な修正で見た目が改善すれば精神的な負担も大きく軽減されるでしょう。
もちろん「どんな傷跡でも手術すれば必ず綺麗になる」と断言することはできませんが、経験豊富な専門医が診察し最善の方法で施術を行えば、傷跡を可能な限り正常な皮膚に近づけることは十分に可能です。
人中短縮後の傷痕を瘢痕形成術で修正する場合の費用
瘢痕形成術の費用は施術を行うクリニックや傷跡の大きさ・状態によって異なります。
美容目的の場合は自由診療となり、目安としては20~30万円程度が平均的な費用相場で、傷跡の範囲や難易度に応じて費用が加算されるシステムです。
ただし傷跡の場所や症状によってはさらに高額になる可能性もありますので、費用面が心配な方はカウンセリング時に確認すると良いでしょう。
人中短縮後の瘢痕形成術ダウンタイム
瘢痕形成術の術後の回復期間(ダウンタイム)は、比較的負担の少ない部類とされています。
手術は通常、麻酔下で日帰り可能な範囲で行われ、施術後にできた傷口は細い糸で縫合され
て約5日~7日後に抜糸を行います。
抜糸までの間は傷口を濡らさないように注意しつつ、医師の指示に従って軟膏塗布やテーピング固定を続けます。
抜糸直後は傷跡に赤みがありますが、メイクで隠せる程度であれば抜糸翌日以降から軽いお化粧でカバーすることも可能です(医師の許可を得てください)。
術後1~2週間もすれば腫れや赤みはだいぶ落ち着き、日常生活に支障はなくなるでしょう。
実際、切開を伴う施術では術後約1週間は腫れや内出血が出る可能性がありますが、腫れが引いても傷が完全に目立たなくなるまでにはおよそ半年ほどかかります。
傷跡が成熟して白く目立ちにくくなるまで6か月前後は自然経過を見ていく必要があるでしょう。
ダウンタイム中は、できるだけ患部を刺激しないことが綺麗に治すための大切なポイントです。
傷口が気になって触ってしまうと、赤みや腫れが長引いたり、色素沈着の原因になる恐れがあります。
術後半年くらいは徐々に傷跡が治っていく大事な期間ですので、できるだけ安静にし、医師の指示通りのケアを続けてください。
具体的には、患部を清潔に保ちつつ入浴や洗顔は優しく行い、瘢痕部の色素沈着を悪化させないために強い日焼けは避けてましょう。
術後しばらくテーピングによる保護や圧迫を指示されることもありますが、これは傷跡が広がったり厚く盛り上がったりしないようサポートする目的です。
自己判断でテープを早期に剥がしたりマッサージしたりせず、違和感があればすぐクリニックに相談してください。
人中短縮術後の傷跡が気になる方はAiZクリニックにご相談ください
人中短縮術後の傷跡にお悩みの方も、決してあきらめる必要はありません。瘢痕形成術は、前向きにその傷跡と向き合い、より自然で美しい仕上がりを目指せる治療法です。
適切な時期に適切な処置を施すことで、傷跡は時間とともに落ち着き、ほとんど気にならない状態まで改善できる可能性があります。
まずはお気軽に無料カウンセリングにお越しください。
AiZCLINICでは無料カウンセリングを行っております。気になっている施術やお悩みなどがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。